イライラするときは

本を読むことにしています。
絶対マンガではなく、活字の方。
集中して読むと、どんなことでも忘れられちゃいます。

みんなで読書DS 捕物帳 半七&右門&安吾&顎十郎&旗本退屈男

みんなで読書DS 捕物帳 半七&右門&安吾&顎十郎&旗本退屈男

昔、銭形平次にはまったことがあったので、ついつい衝動買い・・。
購入以前に読んだことがあるのは顎十郎のみでしたが面白かったです。
捕物帳のみで構成とはずいぶんニッチっぽい感じがしますが面白かったです。
宮部みゆきが半七をおすすめする本を書いていたような?気がするので、そちらもそのうち読んでみたいところ。

気安い感じの感想
半七捕物帳:
・オーソドックスに面白いイメージ。
面白さでは個人的には一番でした。
粒ぞろいって感じで驚くほどすらすら読めてしまいます。
・怪談っぽい話でも必ずトリックや種があるので、一歩違った探偵小説といった印象。
当時の人々がどれだけ妖怪や化かす生き物を恐れていたかが垣間見えます。
・半七には、特にコネなどもなく、あまり権限がないところや、下手人への処罰について「今だったら微罪なんだけど当時は〜」的な台詞がリアルでした。

右門捕物帖
・半七よりキャラクターで読ませるタイプなのかな?
主人公の右門は、江戸っ子で、色気より食い気で美丈夫、更にはむっつりで顎をまさぐると事件の目星がつくという男。
半七のようなスタンダードなタイプの主人公とは随分違っています。
まあ、むっつりと黙ってばかりいるとは言いつつも、右門は一話以外は結構しゃべりますね。
・第一話は半七と同じノリで読むとちょっとオチにびっくりするかも。
そのあとは割とオーソドックスな話の展開になりますが、主人公に岡っ引きと同心という違いがあるということを考慮しても、主人公補正がかなりかかっている感じがします。
・右門と伝六の関係性が不思議。
半七と部下との関係とは何か違う感じ。
寝食の世話をしているせいか、右門に対する伝六は八五郎+押しかけ女房みたいなイメージ。
お互いをどう思っているのかよくわからない台詞が何か所かあります。
「ちくしょう、何でおらは女じゃねえんだ」など冗談にしてもちょっとドキッとするものも多数(特に初期作)
名コンビということを言いたいのか、それとも別の意味なのか、はたまた単に右門が美丈夫だと言いたいのか。
ちなみにこの作品には、岡っ引きより下の連中は出てきません。
・ライバルキャラなのにあばたの敬四郎が情けなさ過ぎるw
右門の捜査を邪魔したり、ほぼ取り柄ゼロな描写だけど、キライじゃない。
顎十郎の藤波友衛のような正統派のライバルもいいけどね。

安吾
・物語の年代は明治時代に入ってからという設定なので、タイトルには捕物とありますが、捕物帳といったイメージではありません。
もろに探偵小説といった感じ。
登場人物に勝海舟が含まれるため、このタイトルにしたのでしょうか?
ちなみに安吾というキャラクターは登場しません。
安吾流のという意味なのですね。
金田一シリーズの横溝正史みたいに登場しちゃうのかと思っていました。
・女性キャラの多くが、堂々として冴え冴えと美しくて、安吾っぽいなあ、と何となく感じます。
・他にない特色としては、女相撲、芝居に鹿鳴館など、文明開化当時の風俗が楽しめるのではないかと思います。
推理以外の部分としては、洋風、和風それぞれの歪で不安定なバランスがギリギリのところで成り立っている時代を描いている感じがして、とても不思議な感じがしました。

顎十郎:
・顎十郎は右門と同じく、変わり者系の主人公。
何てったって物語の中盤で大胆なジョブチェンジをしてしまうのですから・・。
コンプレックスがあるのか、顎の事には人一倍神経質で、彼の前で顎をまさぐろうものなら・・右門と会ったりしたら一触即発となること間違いなしの男です。
話の筋自体はオーソドックスです。
「初春狸合戦」が好きです。

旗本退屈男